「ガミラス艦のデザインはCASだが、高速空母は松本氏ということらしい。で、古代艦と沖田艦もおそらく松本氏。まあ渦中の沖田艦は横に置こう」
「それがどうした」
「つまりだね。この頃の松本デザインには、宇宙戦艦に塔状のブリッジが存在しないのではないか」
「でもさ。三段空母、戦闘空母には塔状のブリッジが付いてるじゃないか。松本デザインなんだろう?」
「ところがね。実はそれとは別に円盤状のガミラス空母の松本ラフがあるんだよ。円盤旗艦を大型化したような雰囲気。当然、塔状のブリッジが存在しない」
「な。なんだって!?」
「初期の松本マンガの【宇宙戦艦】も、ただのロケットであることが多いようだ」
「塔状のブリッジは無いわけだね」
「そうだ」
「じゃあ、宇宙戦艦ヤマト本体はどうなんだよ」
「それは戦艦大和のシルエットをなぞる関係上、塔状のブリッジも煙突も要求される。だからそれがある。でもそれは戦艦大和由来なんだ」
「松本由来ではないのだね」
「そう。だからね。ここは逆に、松本氏が塔状のブリッジが存在する宇宙戦艦のデザインコンセプトを宇宙戦艦ヤマトを通じて学んだのではないかと思うのだ」
「つまり、古代艦、高速空母、マゾーンの空母などの水上艦船にあまり沿っていないデザインは松本氏本来のデザイン。アルカディア号などの、ブリッジがあるデザインはヤマト以後のデザインなのだね?」
「あくまで仮説に過ぎないがね」
だとすれば §
「ドメラーズII世の円盤旗艦は凄く唐突感があるのだがね。しかし、円盤空母を指揮するのが円盤旗艦なら唐突感は少ない」
「既存のガミラス艦と比較すると唐突だよ」
「そう。だから円盤空母は消されたのだろう」
「でも旗艦だけ残った」
「で、旗艦だけ唐突感を持つことになってしまった」
まとめると §
「松本デザインの骨子は、味方はロケット、敵/宇宙人/未来人は円盤が基本と考えられる。水上船舶は基本ではない。そもそも、松本零士が水上船舶を描くことはもともと少ない」
「水上船舶型宇宙戦艦は、ヤマトを通じて学んだということだね」
デスラー艦 §
「そうすると、デスラー艦の中途半端感が浮かび上がる。水上船舶型宇宙戦艦ではないが、ロケット型は味方の特徴。敵に回るのは異質」
「つまりなんだい?」
「デスラー艦はWikiPediaによると加藤直之であって、松本零士ではない」
「つまり松本デザインなら円盤になった可能性が高いと」
「でも円盤ではガミラス総統府に偽装できない」
「ストーリー展開上、円盤は無理ってことだね」
「まあ、総統府を円盤状にしちゃえばいいのだけどね」
「平べったい円形の建物は実際にあるから無理ではないわけだね」